2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『マンマ・ミーア!』で歌の聞き取り

英語の授業で使っていた教科書が終わったので(→授業日記はこちら)、最終回だった先週は、ミュージカル映画『マンマ・ミーア!』(Mamma Mia! フィリダ・ロイド監督、2008年)を使って歌の聞き取り練習をしました。マンマ・ミーア! [DVD]出版社/メーカー: …

『私がクマにキレた理由』とメアリー・ポピンズ

『私がクマにキレた理由』(The Nanny Diaries、シャリ・スプリンガー・バーマン、ロバート・プルチーニ監督、2007年)。ニューヨークの富裕層家庭で、住み込みのナニー(子守り)になった主人公(スカーレット・ヨハンソン)が、男の子と両親(ローラ・リニ…

『北米の小さな博物館2』

アメリカ中西部某州で在外研究中の友人から絵葉書が届きました。外国にいてもメールでのやりとりで簡単にコミュニケーションができるようになった今、絵葉書が、あらためてありがたく感じられ、嬉しかったです。↓出発前にいただきました。北米の30の小さな博…

『カティンの森』と独ソ不可侵条約

『カティンの森』(アンジェイ・ワイダ監督、2007年、ポーランド映画)1939年独ソ不可侵条約締結後のポーランド、クラクフ。ドイツ軍とソ連軍が侵攻し、ポーランド軍1万5千人が捕虜となり行方不明になった。その後のカティンの森での虐殺事件を描いた映画。…

ジーン・シモンズと『ハウルの動く城』

イギリスの女優ジーン・シモンズが亡くなったことを、数日前に新聞で知りました。『ハムレット』(1948)でローレンス・オリヴィエの恋人役を演じたとか、『大いなる西部』(1958)ではグレゴリー・ペックと共演しているとか、そういう代表作をもつイギリス…

『イギリスの経済衰退と教育―1870-1990s 』

マイケル・サンダーソン著、安原義仁・藤井泰・福石賢一監訳『イギリスの経済衰退と教育―1870-1990s』を読み始めました。イギリスの経済衰退と教育―1870‐1990s作者: マイケルサンダーソン,Michael Sanderson,安原義仁,藤井泰,福石賢一出版社/メーカー: 晃洋…

『Dr.パルナサスの鏡』と政治的に正しい(PC)表現

英語学概論/言語文化論の授業で、英語における差別表現の是正運動の話をしました。先週の、ジェンダーと言語の話(→こちら)の続きです。政治的に正しい(Politically Correct, PC)表現について、教科書『社会言語学入門』(東照二著、研究社)に沿って説明…

『ライアー・ライアー』と英語のジョーク

日本語のだじゃれ絵本を読みながら(→この日記)、同じような英語の言葉遊びの例として、映画『ライアー・ライアー』(Liar Liar、トム・シャドヤック監督、1997年)の中のジョークを思いだしました。父親の職業を尋ねられた子どもが、"My father is a liar."…

『だじゃれ日本一周』と似た音を結びつける力

『だじゃれ日本一周』(長谷川義央)という絵本を書店で見つけて、おもしろかったので買って帰ったところ、小学校低学年の息子たちもおもしろがっています。だじゃれ日本一周作者: 長谷川義史出版社/メーカー: 理論社発売日: 2009/12/25メディア: ハードカバ…

『ココ・シャネル』のフランス語訛りの英語

『ココ・シャネル』(Coco Chanel、クリスチャン・デュゲイ監督、2008年)ココ・シャネル [DVD]出版社/メーカー: 東北新社発売日: 2010/01/20メディア: DVD購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (48件) を見るフランス人デザイナー、ココ・シャネル…

『ヴィクトリア女王 世紀の恋』のドイツ語訛りの英語

『ヴィクトリア女王 世紀の恋』(Young Victoria, 2009, ジャン=マルク・ヴァレ監督)ヴィクトリア(エミリー・ブラント)が18歳で英国女王に即位する前後の数年を、彼女に近づいてくる二人の男たち―宰相メルバーン卿(ポール・ベタニー)、従弟アルバート…

ハイチ大地震と『国境を越えた医師』

ハイチ大地震との関連で、Mountains over Mountains(『国境を越えた医師』)を読んでいます。ハイチに診療所を開き、NPOパートナーズ・イン・ヘルスPartners in Healthを設立して、感染症(結核、エイズなど)に取り組むアメリカ人医師ポール・ファーマー(P…

『男が女を愛する時』の夫婦カウンセリング

英語学概論/言語文化論の授業でジェンダーと言語について話しました。教科書『社会言語学入門』(東照二著)に即して、デボラ・タネンの男女の会話スタイルの違いについての論考について話しました。会話において男性は、情報伝達・報告を重視する「リポート…

いろいろな「標準英語」

地域(国)によって「文法的に正しい英語」が違うことに気付かせる練習問題が、おもしろかった話。(↓以下1〜6の文が、文法的に正しい「標準英語」の文として用いられる国はどこか、あてはまるものを選べ、という問題です。太字強調は引用者) 選択肢 Aust…

センター試験終了

16日、17日と行われたセンター試験が終了しました。受験生のみなさん、お疲れさまでした! このあとも、体調に気をつけて、がんばってください。京都府立大学の入試情報については大学ホームページの「受験生の方へ」などをご参照ください。

絵画の庭―ゼロ年代日本の地平から

「絵画の庭―ゼロ年代日本の地平から」を見に、中之島の国立国際美術館に行きました。展覧会のコンセプトは、「1990年代半ばから台頭し、2000年代に入ってからも目が離せない、日本の新しい具象的な絵画の動向を、国内外で活躍する画家28名のこの10年余りの仕…

『戦場からの脱出』のベトナム戦争

wowwowで今夜10時から放映している『戦場からの脱出』(Rescue Dawn、ヴェルナー・ヘルツォーク監督、2006年)。ベトナム戦争時に、特別任務を帯びた米軍パイロット(クリスチャン・ベール)が撃墜され、ラオスのジャングルのなかで捕虜となったあとの、脱出…

『モナリザ・スマイル』の授業風景

授業で立ち往生する大学教師の描き方が、なんともうまいなあと思った映画。『モナリザ・スマイル』(Mona Lisa Smile、マーク・ニューウェル監督、2003年) モナリザ・スマイル [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2004/1…

エリック・カールの絵本

英会話練習をフリートーク形式で行っている国際文化学科の授業で、エリック・カールの絵本について話しました。Mister Seahorse を音読してもらって、絵や使われている英語について話しました。カールの絵は、最初に紙全面に色を塗り、それから形を切り取る…

『君のためなら千回でも』

連休中、家の近くの公園で凧上げをしている親子連れの姿をよく見かけました。私も昨年はよく凧上げをしたのですが、二つあった子どもの凧が二つともなくなってしまったので―ひとつは糸が切れ、もうひとつは手を離してしまって―今年は上げる凧がありません…。…

『マスター・アンド・コマンダー』とイギリス階級方言

NHK衛星第2放送で、今夜9時から『マスター・アンド・コマンダー』(Master and Commander、ピーター・ウィアー監督、2003年)が放映されます。のびやかで開放感のある、好きな映画です。マスター・アンド・コマンダー [DVD]出版社/メーカー: ユニバーサル・…

『アバター』のナヴィ語とコードスイッチング

『アバター』のナヴィ語と英語について先日の日記(→こちら)で書きました。その補足。ナヴィ語と英語の間の切り替え、いわゆる「コードスイッチング」(code-switching、言語切り替え)について。終盤、主人公がナヴィ族の集会で話をするところで、最初はナ…

『きみがぼくを見つけた日』のジョギングシーン

いい天気なので、今年最初の週末ジョギングに出かけました。家の近くをときどき走るようになってから、映画に出てくるジョギングシーンが気になります。『きみがぼくを見つけた日』(Time Traveller's Wife、ロベルト・シュベンケ監督、2009)のジョギング・シ…

冗談も敬語もすり減る

夫と子どもの会話を聞くともなく聞いていると、調子に乗ってふざけ続ける子どもに、夫がThe joke is wearing thin.(その冗談は聞きあきた)と言っていました。直訳すると「その冗談はすり減って薄くなっている」。なるほど。使われたのを聞いたら意味はわか…

『英語教育のポリティクス』

先日のアバター日記(→こちら)にコメントをいただいて感激した江利川春雄先生のご著書『英語教育のポリティクス―競争から協同へ』。英語教育のポリティクス―競争から協同へ作者: 江利川春雄出版社/メーカー: 三友社出版発売日: 2009/08メディア: 単行本購入…

『文章力の基本』

学生さんの書いたものに朱を入れながら、わかりやすい日本語の書き方について考えていたところ、書店で『文章力の基本』という本が平積みになっているのを見つけました。ぱらぱらと見てみると、とてもわかりやすかったので、購入して早速読みました。文章力…

『アバター』のナヴィ語と英語

正月休みに『アバター』(Avatar、ジェームズ・キャメロン監督、2009年)を見に行きました。物語の枠組がとてもおもしろかったです。これをオリジナルで作るっていうのは、すごいなあ。地球とパンドラ星、地球人とナヴィ族の間に見える、文明vs自然、進歩vs…

phthisisで冷や汗

共著本の担当章の最終校正をしながらひやっとしたこと。間違いが見つかったのは、19世紀イギリスの上級公務員試験の試験官が、ディクテーション(書きとり)の試験は受験生に酷である、と述べていることを紹介した箇所でした。「phthisis(肺結核)のように…

映画関連の新書

来年度担当することになっている新入生ゼミナールという科目の説明会が年末にありました。半年間で新書を3−4冊読むゼミで、読む本は配布され推薦図書一覧表から選んでもいいし、その他の新書でもいいそうです。一覧表を見ていると、人文系の新書があまり多く…

『マイ・フェア・レディ』の気になるリメーク企画

新聞テレビ欄を見ていたら、NHK衛星放送で今夜9時から『マイ・フェア・レディ』が! この映画は私も授業(→たとえば原作『ピグマリオン』に触れたこの日記)や、自分の研究(→たとえば原作者バーナード・ショー研究の協会大会に参加したこの日記)でも折に…