『ヴィクトリア女王 世紀の恋』のドイツ語訛りの英語

ヴィクトリア女王 世紀の恋』(Young Victoria, 2009, ジャン=マルク・ヴァレ監督)

ヴィクトリア(エミリー・ブラント)が18歳で英国女王に即位する前後の数年を、彼女に近づいてくる二人の男たち―宰相メルバーン卿(ポール・ベタニー)、従弟アルバート公ルパート・フレンド)―との関係を軸に描いた映画。

ドイツ人でありドイツ語訛りのある英語を話すアルバート公を演じたルパート・フレンドはイギリス人俳優です。劇場用パンフレットによると、ボイスコーチとドイツ語教師についたそうで、「できるだけドイツ語訛りを多くしたかった。ヴィクトリアとアルバートは実際、ドイツ語で話していたらしいよ」(20)とか。

チェスが小道具として印象的でした。即位前の若いヴィクトリアが、のちに夫となるアルバートに出会った直後に、二人でチェスをしている場面。「あなたは自分がチェスの駒のように他のひとに動かされていると感じることがある?」というようなヴィクトリアの台詞や、それに対してアルバートが「そういうときは、自分を操ろうとする人間よりもチェスがうまくなるしかない」と返す台詞など。ベルギー国王がアルバートを最初にイギリスに送りだしたときの台詞"You are the next piece in the game."(お前が次の駒だ)が、ここで効いてきます。

The Young Victoria

The Young Victoria

ポール・ベタニーのメルバーン卿がよかった!このひとがチャールズ・ダーウィン役をやったCreationは、日本公開されるでしょうかー)