2010-01-01から1年間の記事一覧

『アメイジング・グレイス』

『アメイジング・グレイス』(Amazing Grace、マイケル・アプテッド監督、2006年)西洋史の同僚にイギリス映画のDVD『アメイジング・グレイス』を貸してもらったので、クリスマスの日に見ました。19世紀イギリスで、議会における奴隷貿易廃止(Abolition)運動…

今年の仕事

2010年の仕事ー活字になったものー 【論文1】「読み書き教育効率化と標準発音普及を目指して―19世紀後半イギリスの綴り字改革論」『識字と読書―リテラシーの比較教育社会史』(松塚俊三・八鍬友広編、昭和堂、2010年)の第10章(pp.273-97)【論文2】「映画…

ゼミ探訪

ひと月ほどまえ、某府立高校1年生のYさんから、進路学習の授業の一環として、自分の関心ある大学の研究室(ゼミ)を訪ねる課題があるので話を聞かせてほしい、とメールをいただいていました。今までにないことだったので、最初は戸惑いましたが、何回かのメ…

発音指導とトランスクリプション

『ALBION』復刊第56号(京大英文学会編集・発行、2010年11月発行)に、「ロンドン大学夏期音声学セミナーとトランスクリプション」というレポートを書きました(pp.129−135)。一部引用します。夏に参加したときの日記はこちらやこちら。 英語の発音を教授・…

シンポジウム 自然・人・歴史

18日午後、京都府立総合資料館で、府立大学文学部が、府大地域連携センター、京都府立植物園、京都府立総合資料館とともに主催したシンポジウム、「自然・人・歴史」が開かれました。欧米言語文化学科の同僚の方々がパネリスト、司会、コメンテーターを務め…

『孤高―国語学者大野晋の生涯』

『孤高ー国語学者大野晋の生涯』(川村二郎著、東京書籍、2009年)をしばらく前に読みました。いつかこういう仕事がしたいなあと思いながら読んでいました。いえ大野大先生ではなくて、評伝著者のお仕事。孤高 国語学者大野晋の生涯作者: 川村二郎出版社/メ…

『よくできた女(ひと)』

『よくできた女(ひと)』バーバラ・ピム著、芦津かおり訳、みすず書房、2010年。Excellent Women by Barbara Pym (1952)とてもおもしろそうで読むのが楽しみなイギリス小説。友人の翻訳のお仕事ですよくできた女 (文学シリーズ lettres)作者: バーバラ・ピ…

『読みの学習者から読みの教師へ』

『読みの学習者から読みの教師へ―第2言語(英語)教育の問題点とその術策』 (ジャック・C・リチャーズ編、多田稔監修・監訳、英宝社、2010年)。目次 第1章 読みとは何か 第2章 L2/FLの読みに影響を及ぼす諸要因 第3章 読みのコースを設計する 第4章 …

『文化史とは何か』

『文化史とは何か』(ピーター・バーク著、長谷川貴彦訳、法政大学出版局、2008年、増補改訂版2010年)。原書はWhat is Cultural History? Peter Burke. 2004. 翻訳者の方が『イギリス文化史』(→日記はこちら)のプロローグとして書かれた「文化史というアプ…

『声と文字』

『声と文字』(大黒俊二著、岩波書店、2010年)読了。声と文字の関係については、表音式綴り字の関連で特に関心をもっており、中世ヨーロッパを俯瞰する議論がとても勉強になりました。目次 序章 シエナ、1427年8月15日第1章 ラテン語から俗語へ(バベルの…

字幕付与技術シンポジウム11/27

11月27日の13時30分から京都大学学術メディアセンターで「聴覚障害者のための字幕付与技術」シンポジウム2010が開かれる、と速記・言語科学研究会(→こちら)でお世話になっている兼子先生から案内をいただきました。以下は、京都大学サイトからの引用です。 …

英語劇『ピグマリオン』公演11/16

11月16日夜、関西外国語大学(京阪枚方市駅からバス10分)で、英語劇『ピグマリオン』が上演されます(→公演ちらしはこちら)。以下、関西外国語大学のお知らせサイトからの引用です。府大の学生さんで、興味があるのだけれどーというかたは、よかったら声か…

『イギリス文化史』

『イギリス文化史』(井野瀬久美惠編、昭和堂)の充実した目次を見ながら、今年もあと二カ月を切ったとカウントダウンモードに入らずに、よれぎみになっている体勢を立て直して仕事をしようと思っています。。第1部 制度と文化 第1章 宗教と文化―変化する…

京都府立大学キャンパスツアー

京都府立大学の学園祭、半木祭(なからぎさい)で、キャンパスツアーが開かれます。在学生による府立大学キャンパス案内のあと、進学相談会が開かれます。申し込みは、11月9日(火)までです。(昨年は締め切り後も、余裕のある学科については受け付けていた…

ノアの方舟

ルーン文字もローマ字(ローマン・アルファベット)も共通のルーツがあって、それはフェニキアのセム人の文字だ、という話を「英語史」の授業でしました。そのときに、旧約聖書『創世記』(旧約聖書翻訳委員会、月本昭男訳、岩波書店)の「ノアの方舟」の章…

『ウェイトレス おいしい人生のつくりかた』

『ウェイトレス おいしい人生のつくりかた』(Waitress エイドリアン・シェリー監督 2007年)をDVDで見ました。 アメリカ南部の田舎町の食堂(ダイナー)でウェイトレスをするジェナ(ケリー・ラッセル)が、妊娠し、DV夫からどう逃れるかーという話。いい…

『ジェーン・オースティン 秘められた恋』

『ジェーン・オースティン 秘められた恋』( Becoming Jane、2007年、ジュリアン・ジャロルド監督)を週末DVDで見ました。18世紀末から19世紀初頭の(1775−1817)イギリスの小説家ジェーン・オースティン(アン・ハサウェイ)が、作家となるまでの時代の恋人…

『お買いもの中毒な私』

『お買いもの中毒な私』( Confessions of a Shopaholic、2009年、PJホーガン監督 )をDVDで見ました。カードの限度額ぎりぎりまで買い物を続け、債権者から逃げながら、ジャーナリストとしての活動を続ける主人公(アイラ・フィッシャー)の話。 お話として…

The Habit of Art

The Habit of Artという芝居を夏、ロンドン、ナショナルシアターで見ました。アラン・ベネットの新作。そのときの観劇日記。 - 詩人WHオーデン(デズモンド・バリット)と、ベンジャミン・ブリテン(マルコム・シンクレア)の親交(過去の関係)を描く芝居の…

イクメン知事

京都府の山田啓二知事が、育児休暇をとる広島県知事にたいして、定例記者会見で「(育休取得の)PRとしてやっていることに、目くじらをたててかみつく必要はない」と述べ、湯崎知事の考えに理解を示した、というニュースを読みました。心から同意します。 …

Railway Children

Railway Children という芝居を、8月にロンドンで見ました。イーディス・ネズビット(Edith Nesbit)の小説(邦題はの『若草の祈り』)が原作。 ウォータールーの駅の構内に作った仮設舞台での公演でした。線路を挟んだ二つのプラットフォームの上に、線路のほ…

英文スピーチ練習

メディア・イングリッシュの授業では、受講生全員に短い英文スピーチをしてもらっています。BBCニュースをもとにした教科書で、付属の練習問題として、自分の意見を述べる問題があるので、それを発表してもらいます。毎週のことなので、暗記して、というのは…

音声学セミナーの朝食風景

『エンロン』観劇日記(→こちら)続き。観劇したのは、ロンドン大学夏期音声学セミナー参加中(→こちら)でしたので、舞台を見ながら感じた英語の発音についての疑問について、翌日、講師のベヴァリー・コリンズ教授に尋ねました。滞在していた寮の朝食の席で…

『エンロン』

Enronという芝居を、8月にロンドン(ノエルカワード・シアター)で見ました。Lucy Prebble脚本。 2001年12月に破たんしたエンロンの粉飾を描いた風刺劇。劇作家は新進のイギリス人。2009年にチチェスターで初演。そのあとロンドン。今年春にブロードウェイに…

Educating Rita

Educating Rita という芝居を8月にロンドンのTrafalgar Studioで見ました。Willy Russell脚本 Glen Walford演出。1980年のロンドンの舞台の再演。初演時はジュリー・ウォルターズがリタ役を演じていて、そのあとで作られた映画版ではジュリーが残り、教授役…

卒論中間発表

昨日、今日と、国際文化学科の卒業論文中間発表会でした。卒論提出予定の学生さんが、ハンドアウトA3三枚でまとめて、15分間発表します。そのあと、質疑応答10分間。中間発表の司会・タイムキーパーは、その年の四回生の担任がすることになっていて、今年…

映画『麗しのサブリナ』

映画『麗しのサブリナ』Sabrina 1954 ビリー・ワイルダー監督 [8月に、宝塚花組公演鑑賞(→日記はこちら)直後に、興奮もさめやらぬうちにさっそくDVDで映画『麗しのサブリナ』を見たときの日記] この映画は中学生か高校生のころにテレビで見たきりでした。白…

花組公演『麗しのサブリナ・EXCITER』

宝塚花組公演 ミュージカル 麗しのサブリナ スパークリング・ショー EXCITER [8月に見ました。このあと映画もみました。映画日記はこちら]花組公演を見るのは初めてでした。『麗しのサブリナ』にやられました。いや、中学生のころヘップバーンの映画をみて、…

『新しい人生のはじめ方』

(学休期間中はあまりブログ更新できなかったのですが、後期が始まったので心を入れ替えて^^ 授業の話のあいまに、8月、9月に見た映画(DVD)や舞台について書きます。これは8月末に見たDVD)『新しい人生のはじめ方』 Last Chance Harvey ジョエル・ホプキン…

月曜の授業

月曜の授業、後期は、大学院演習、英語学概論(2回生配当)、メディア・イングリッシュ(3回生配当)の三つです。英語学概論は、受講生40名弱なのですが、割り当てられた教室が100名規模の教室でした。最初、マイクを使わずにしゃべっていてのどが疲れてき…