『ウェイトレス おいしい人生のつくりかた』

『ウェイトレス おいしい人生のつくりかた』(Waitress エイドリアン・シェリー監督 2007年)をDVDで見ました。

アメリカ南部の田舎町の食堂(ダイナー)でウェイトレスをするジェナ(ケリー・ラッセル)が、妊娠し、DV夫からどう逃れるかーという話。

いい映画でした。公開時におもしろいと聞いていたので、気になっていました。 こういう映画こそ映画館でみたかったなあ。セッティングは私的なこじんまりした空間なので、ドラマぽくテレビで見てもよさそうだけれど、DV夫の口だけやさしい束縛感の恐怖とか、ジェナがつくるオリジナルなパイの数々の夢のようなかんじとか、同僚や医者とのコメディなテンポのいいやりとりとか。そういうのは、映画館の空間でじっくり楽しむとなお楽しそう。

けっこうシビアなところな問題を見据えていて、でも基本はコメディで、また、若い女性への応援歌になっているところが、『サンシャイン・クリーニング』と通じるところがあるように思いました。そういう意味で、学生さんたちにおすすめの映画です。

南部のどこの町、というのは出てこなかったとおもうのだけれど、鼻にかかってのびた母音が南部だなあというかんじ。そういえば『ローラーガールズダイアリー』の主人公もこんな南部のダイナーでアルバイトしていました。あれもまた、女の子応援映画でした。


妊娠は喜べないから、いちいちおめでとうといわないで、とあらかじめくぎをさしていたジェナにたいして、医師が妊娠を確認したあとの台詞は"Uncongratulations." そして、対する主人公の答えが"Unthank-you."

造語、というか、unをつけて打ち消そうという言葉あそびですね。

ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた [DVD]

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