音声学セミナーの朝食風景
観劇したのは、ロンドン大学夏期音声学セミナー参加中(→こちら)でしたので、舞台を見ながら感じた英語の発音についての疑問について、翌日、講師のベヴァリー・コリンズ教授に尋ねました。滞在していた寮の朝食の席でのことです。
コリンズ先生はこの芝居は見ていないということでしたが、発音について、「アメリカ英語ぽくないところがあるように思ったのですが」という私の質問に対して、いわく。
「演劇での方言模倣は、映画よりはるかに下手。映画はけっこう上手。メリル・ストりープは上手(→どの映画のことかは不明)。自分は芝居を見に行くと、役者の発音(方言模倣)が気になって、筋に集中できない。」などなど。
また、「とくにひどいのが、舞台でのウェールズ訛りやスコットランド訛り」とも。しかし、ここで、隣の席にいったコリンズ夫人@スコットランド出身、から、「あなたのスコットランド訛りの模倣だって私からみればおかしい」とつっこみが入りました。(*"ベヴァリー"・コリンズ先生は男性です)
また、「アメリカ英語をイギリスの俳優がやるときに難しいのがイギリス英語のlotの母音(notがイギリス式にノットではなくアメリカではナットになる類)がないのが難しい。lotの母音を持つ単語は、アになるものと、オ+rになるものにわかれるので、その区別も難しい」などなど。
このあたりのコメントは、私が『エンロン』舞台を見ていた印象とだいたい同じ(とくにlot母音について、アメリカらしくないというところ)だったので、なるほどと腑に落ちました。
- 作者: Beverley Collins,Inger M. Mees
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る