『男が女を愛する時』の夫婦カウンセリング

英語学概論/言語文化論の授業でジェンダーと言語について話しました。教科書『社会言語学入門』(東照二著)に即して、デボラ・タネンの男女の会話スタイルの違いについての論考について話しました。会話において男性は、情報伝達・報告を重視する「リポート・トーク」report talk を好む傾向があり、一方、女性は話し手と聴き手との間の情緒的なつながり、共感を重視する「ラポート・トーク」rapport talk を好む傾向がある、という分析です。

男女の会話スタイルを観察する例として、『男が女を愛する時』(When a Man Loves a Woman, ルイス・マンドーキ監督、1994)の夫婦カウンセリングの場面を紹介しました。アルコール依存症の治療を終えて退院した妻(メグ・ライアン)と、彼女を庇護する夫(アンディ・ガルシア)が、カウンセラーと話しているところです。カウンセラーが妻に向けた問いなのに、夫が妻の気持ちを代弁して答えてしまい、それに対して妻が「苛々するirritated」ことが明かされる場面。

男が女を愛する時 [DVD]

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英語学概論/言語文化論の授業日記→「地域方言」「黒人英語」「コードスイッチング」