『だじゃれ日本一周』と似た音を結びつける力
『だじゃれ日本一周』(長谷川義央)という絵本を書店で見つけて、おもしろかったので買って帰ったところ、小学校低学年の息子たちもおもしろがっています。
- 作者: 長谷川義史
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2009/12/25
- メディア: ハードカバー
- 購入: 9人 クリック: 86回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
都道府県の名前をだじゃれで説明していく絵本です。「すべってころんでおおいたけん 大分県(おおいたけん)」というような馴染み深いだじゃれもあれば、「たこやきたべておーしゃかぷー 大阪府(おおさかふ)」、「それならとだいぶつさんもおならけん 奈良県(ならけん)」のような子どもの喜びそうな生理現象系のだじゃれも、あります。
ページには、県名のだじゃれと、そのだじゃれを表わす絵が県の名所や特産物を盛り込んで描かれています。たとえば「えんりょせんととっとりけん 鳥取県(とっとりけん)」のページは、二十世紀梨を(隣のページの桃太郎@岡山県に)勧めるおじさんと、その背景には、砂丘、らくだ、大山、因幡の白ウサギが描かれています。だじゃれも絵もユーモラスでおもしろいです。
音読していてすごいなあと思うのが、「これぐらい離れた音(言葉)でも、子どもはだじゃれとして結び付けられるだろう」という著者の想像力です。「あっちいかんとこっちけん 高知県(こうちけん)」の、「こうち」と「こっち」、「だれがおいたの じゃまないしけん 山梨県(やまなしけん)」の「じゃなまいし」と「やまなし」など。隣のページとのつながり(文脈)や、絵による説明も借りながら、離れた音を「似ている音」として結びつける言葉遊びが、とてもおもしろい。(→英語のだじゃれについてはこちら)