2011-01-01から1年間の記事一覧

『欲望という名の電車』

梅田芸術劇場で上演された、『欲望という名の電車』を見に行きました。テネシー・ウィリアムズの原作の、小田島恒志翻訳版を、手をいれずにそのまま使うという演出(松尾スズキ)でした。ニューオリンズの小さなアパートで、ポーランド系移民のスタンリー(…

『薩摩スチューデント、西へ』

『薩摩スチューデント、西へ』(林望著、光文社文庫)、読みました。このあいだ森有礼とホイットニーについての論文を書き(→関連日記)、今学期関連の授業をしていることもあって(→関連日記)、気になっていた小説です。幕末に薩摩藩からイギリスに派遣され…

大型連休

大型連休はまだ続いているのか、それとも今日で終わりなのか、なんとなく決めかねています。とりあえずあしたは授業。連休の間に東京で、今進めている企画の編集者さんや共著者さんと打ち合わせをしてきました。電話やメールで何度もやりとりしているのです…

スカイプ英会話ビジネス

『129円のマンツーマン英会話 スカイプ勉強法』(加藤智久著、幻冬舎)読みました。ウェブ時代の英会話ビジネスについて、1980年生まれの社長さんが語っているのがおもしろかったです。知らなかったのは、スカイプ利用した英会話サービスが日本にすでに30…

ウェストミンスター寺院という呼び方

イギリスの王位継承第二位のウィリアム王子の結婚式が、ウェストミンスター寺院であったのを、NHKのBS放送や、BBCWorldの放送で見ていました。ウェストミンスター寺院、と日本語で言われますが、英語ではWestminster Abbey。 キリスト教のAbbeyがな…

『国際共通語としての英語』

『国際共通語としての英語』(鳥飼玖美子、講談社現代新書)、読みました。国際共通語として英語を学び、使うことを主張しています。論旨明快で、近年の応用言語学・英語教育のこの件に関する主要な論を簡単に紹介しつつ論を展開してあります。短期的・実践…

気仙沼・大島救援物資

以前、口蹄疫流行時に書いた日記で、わかりやすく心に響いたブログを紹介させていただいた宮城大学の森本素子教授が、気仙沼・大島への救援物資を研究室宛てで全国から募り、自分で現地へ届ける活動を行っていらっしゃいます。下着類を順に募っていて、今は…

A-bomb in Nagasaki: a memoir

My grandfather Tatsuo Yamaguchi was in Nagasaki when the atomic bomb was dropped on the city on 9 August 1945. He was a German teacher at the Seventh Senior High School in Kagoshima (Shichiko) and sent to Nagasaki to supervise his students…

『長崎戦没学友追悼文集』

福島第一原子力発電所の事故のニュースを見聞きする日々のなかで、長崎で被爆した祖父山口龍夫のことを思い出しています。祖父は、鹿児島の第七高等学校造士館(七高)のドイツ語教師として勤務していたとき、学徒動員で工場の労働に派遣された生徒を引率し…

英語リーディングはJapan Times他

京都府立大学公共政策学部公共政策学科の1回生の英語A(リーディング)の前期授業を担当しています。昨日、初回の授業がありました。The Japan Timesの記事の訳読と、それから、映画About a Boyのスクリプト(映画総合教材「アバウト・ア・ボーイ」松柏社)…

英語企業内公用語化論について語る

「欧米言語文化研究II」(言語思想)の授業が今日から始まりました。この授業の内容はこんなかんじです↓ (開講表から) 森有礼の「英語採用論」とホイットニーの返信再考。明治初期の外交官・政治家であった森有礼(1847-1889)は、弁理公使としてアメリカに…

『シューマンの指』

『シューマンの指』(奥泉光、2010年)読了。(英語とも映画とも関係しませんがー)。ヨーロッパ文化やクラシック音楽への憧れが中核にあるところが欧米言語文化的かな、と思うので紹介します(牽強付会?)。ピアニストを目指していた十代の思い出と、その…

『恋とニュースのつくり方』

『恋とニュースのつくり方』(Morning Glory ロジャー・ミッシェル監督、2010年) テンポのいい、楽しい映画でした。しばらく前に劇場でみました。 学生さんにもお勧めです!視聴率低迷の朝の情報番組を立て直そうとするプロデューサー(レイチェル・マクア…

明治時代以降の京都イメージ

『明治時代以降の京都イメージにおける都市と自然の調和に関する学際的研究』平成22年度京都府立大学地域貢献型特別研究(ACTR)研究成果報告書、研究代表者 野口祐子(京都府立大学文学部)。欧米言語文化学科の教員を中心とした共同研究の報告書です。昨年12…

『京都の中のドイツ』

『京都の中のドイツ』(青地伯水編、春風社、2011年)。 欧米言語文化学科の同僚の編著書が刊行されました。 目次 第1章 祇園祭山鉾行事の運営とゲルマニスト―ドイツ市民文学研究者の京都町衆としての視点(深見茂) 第2章 「京あるいは都は日本語では都市…

『ザ・ファイター』

『ザ・ファイター』(The Fighter)デイビッド・O・ラッセル監督、2010年 東海岸の古い工業都市ローウェルが舞台。かつて注目されたボクサーだったが挫折してジャンキーになっている兄ディッキー(クリスチャン・ベール)と、彼がトレーナーを務めている弟の…

『トゥルー・グリット』

『トゥルー・グリット』 (True Grit) コーエン兄弟製作、脚本、監督 1870年代後半、西部で、父親を殺した犯人を捕まえるため保安官(ジェフ・ブリッジス)を雇い、居留地に乗り込む14歳の少女(ヘイリー・スタインフェルド)。そこに、その犯人に別件で掛…

『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』 (Never let me go) マーク・ロマネク監督、2010年 (恥ずかしながらカズオ・イシグロの原作は未読で、映画を見て、読もう、と思っているところですー。以下、ややネタバレですー)生命倫理に関わるSFですが、舞台は寄宿制の学校。…

新年度

新年度になりました。ほぼ一か月の間、ブログを更新できませんでした。また、京都府立大学での授業のこと、自分の研究のこと、英語と映画のことなどを書いていきたいと思います。自分にできることを続けながら、もう一歩踏み出してできることも、探していき…

『ツーリスト』

『ツーリスト』(The Tourist、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督、2010年)手堅くおもしろい映画でした。舞台はヴェネチア。アンジェリーナ・ジョリーがゴージャスな美人で、何やら犯罪関係者として追われている。彼女は、ある男を探してい…

『英国王のスピーチ』

『英国王のスピーチ』(King's Speech、トム・フーパー監督、2010年) 吃音の国王ジョージ6世(最初は王位継承第二位、そのあと第一位、そして、王)と、彼のスピーチセラピスト(ジェフリー・ラッシュ)の物語。実話に基いている。 王のコリン・ファースは…

『きみを想って海をゆく』

「きみを想って海をゆく」 (Welcome、2010年、フィリップ・リオレ監督・脚本) 京都シネマでみました。ドーバー海峡を泳いでイギリスにわたろうとするクルド人難民の少年と、彼に水泳を教えるフランス人男性の交流を主軸とする物語です。男性が少年に関心を…

『ヒア アフター』

『ヒア アフター』(Hearafter、クリント・イーストウッド監督、2010年)。 死者と話ができる能力を持ったため苦しむ男(マット・デイモン)と、生死にかかわって苦しむ他の二人の状況を、描いた映画。 臨死体験、来世という際どい話を、(より普遍的な説得…

英男子と米女子のロマコメ2本

京都駅八条口徒歩5分のシネコンTjoy京都で、イギリス舞台のロマコメ旧作2本を上映しています。『ロイヤル・セブンティーン』と『ノッティング・ヒルの恋人』。Tjoy京都のサイト(→こちら)によると、「キューティー映画フェスティバル」と銘打った企画だ…

『パッション』(The Mother)

DVD『パッション』。原題はThe Mother。2003年、 ロジャー・ミッチェル監督、ハニフ・クレイシ脚本。 日本未公開の映画ですが、今頃DVD化されたのは、ダニエル・クレイグが出ているからでしょうか(でも007の新作はまだ先ですよね) 夫の急死の直後に、娘の…

『エリックを探して』

『エリックを探して』Looking for Eric、2009 、ケン・ローチ監督 しばらく前に京都シネマでみました。おもしろかったですー! マンUサポーターの主人公エリックが、90年代のスター選手、エリック・カントナの大ファンで部屋に等身大ポスターを飾って語りか…

KELES卒論修論研究発表セミナー

関西英語教育学会(KELES→こちら)の卒論・修論研究発表セミナーが、関西国際大学尼崎キャンパスであったので、卒論を発表する学生さん二人といっしょに出席しました(→プログラムはこちら)。関西を中心とする11大学から合計45人の方の、卒論・修論発表があり…

自転車と点字ブロック

昨日の点字本日記(→こちら)つながりでー。府立大学の構内の駐輪マナー改善が、委員会や会議で議論されていますー。先日出席した委員会でも、議題になっていました。それほど広いキャンパスでもないのですが(!)、校舎から校舎まで自転車で移動する学生さ…

『万人のための点字力入門』

今年度担当した講義のひとつで、視覚障害を持った学生さん用の授業資料として、教科書や配布資料を学務課の担当の方に点訳してもらいました。授業資料は、授業の一週間前にワードファイルを送付したものを当日までに点訳してもらい、それを学生さんが所定の…

『イギリスにおける商事法の発展』

お隣の研究室の川分先生の新しい翻訳書。『イギリスにおける商事法の発展―手形が紙幣となるまで』(ジェイムズ・スティーヴン・ロジャーズ著、川分圭子訳、弘文堂、2011年)。翻訳中から、折に触れ進捗状況をきいていたお仕事です。イギリスにおける商事法の…