『万人のための点字力入門』

今年度担当した講義のひとつで、視覚障害を持った学生さん用の授業資料として、教科書や配布資料を学務課の担当の方に点訳してもらいました。授業資料は、授業の一週間前にワードファイルを送付したものを当日までに点訳してもらい、それを学生さんが所定の場所に取りに行くことになっています。一週間前という約束が、ぎりぎりにお願いすることもあり、大変お世話になりました。

しかしながら、日々のハンドアウト点訳してもらい、また、提出物を反訳してもらいというように、点訳者の方に非常にお世話になっているのに、また、学生さん自身は、点字でノートを取り、提出物を出しているのに、私自身は点字のことをほとんどわかっていませんでした。そこで、遅ればせながら、点字について昨年出版された2冊の本を手にとりました。

万人のための点字力入門―さわる文字から、さわる文化へ

万人のための点字力入門―さわる文字から、さわる文化へ

点字の市民権

点字の市民権

一昨年2009年は、点字考案者ルイ・ブライユ(1809−1852)の生誕200周年でした。国立民族博物館で、2009年11月22日〜23日に開催された国際シンポジウム「点字力の可能性―21世紀の新たなルイ・ブライユ像を求めて」の内容に加筆して一般読者向けの書物としたのが、『万人のための点字力入門―さわる文字から、さわる文化へ』です。

点字の市民権』は、第1章 点字発達の歴史、第2章 点字教科書の保証、第3章 点字と市民権、第4章 点字内容証明郵便、第5章 点字の遺言状と訴状という構成です。