英語企業内公用語化論について語る

「欧米言語文化研究II」(言語思想)の授業が今日から始まりました。この授業の内容はこんなかんじです↓

(開講表から)
森有礼の「英語採用論」とホイットニーの返信再考。明治初期の外交官・政治家であった森有礼(1847-1889)は、弁理公使としてアメリカに駐在していた1872年に、イェール大学の比較言語学教授W.D.ホイットニー(1827-1894)に手紙を書き、自分が考えている「日本帝国に英語を導入すること」について「科学と文学の分野」で高い評価を受けているホイットニーの意見を求めました。ホイットニーはこれに対して、日本文化にとって中国語がこれまで果たしてきた役割を、英語がこれから担うことになればいい、と答えています。森有礼のこの「英語採用論」は早い段階から「日本語廃止論」として誤解されたこともあり、多くの学者・評論家の批判・議論の対象となってきました。この授業では、森有礼とホイットニーの手紙を精読し、また、これに関連する議論を紹介しながら、有礼の「英語採用論」をとりまく19世紀後半の欧米と日本の言語観、言語イデオロギーについて考えます。授業は毎回、講義を中心としますが、後半、受講生によるディスカッション(主題は講義内容に即して私が設定します)の時間を設けます。

初回の今日は、オリエンテーションとして概要を説明しました。そのあと、楽天三木谷社長が、英語企業内公用語を決めたときの記者会見の映像を見てもらって、「英語企業内公用語について賛成?反対?」で、2グループにわかれて、グループディスカッション。そのあと、グループ内の議論内容を、報告してもらいました。

3年前の改組で、新入生ゼミナールが導入され、一年生時にゼミでのディスカッションを経験しているからなのか、思っていたより活発に意見交換できているようで、よかったです。

さて、来週から実際の手紙(英文)読みですー。