『あの日のように抱きしめて』

原題Phoenix
邦題「あの日のように抱きしめて」 原題は「不死鳥」で、それには二重の意味がこめてあり力強いのですが、邦題はやや感傷的ですね。

ともあれ、サスペンスのはりつめたいい映画でした。おすすめです。主要言語はドイツ語。

クリティア・ペッツォルト監督・脚本。ユダヤ強制収容所から奇跡の生還を果たした女性が外見を変えて、かつて自分を裏切ったのかもしれない夫を訪ねるー。サスペンスが緻密ないい映画です。

duとSieの揺れ方が興味深いです。夫は主人公を「亡き妻によく似た他人」と思っているのでSieで語りかけ、主人公にも、人前ではSieを使うように言います。でも状況の変化とともに揺れが生じるー。。

「あの日のように」パンフレットでは、前島秀国さんの記事で劇中歌「スピーク・ロウ」の作曲者クルト・ヴァイルがユダヤ人で、ドイツからアメリカ亡命を余儀なくされたと書いてありました。米市民権を得た43年にこの歌をピグマリオンモチーフのミュージカル「ワン・タッチ・オブ・ヴィーナス」のデュエット曲として書いたそうです。

ミュージカル「ワン・タッチ・オブ・ヴィーナス」は1948年にウィリアム・A・サイタ―監督が映画化。映画邦題は (http://movie.walkerplus.com/mv1066/)「ヴィナスの接吻」です。

ヴィナスの接吻 [DVD]

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