『6才のボクが、大人になるまで』

『6才のボクが、大人になるまで』映画館で見ました。大変よい映画で、自分的には今年のMy Best 1候補!!と思いました。

お姉ちゃんサマンサと弟メイソンと、二人の子供をシングルマザーとして育てるおかあさん、それから、週末や長期休みに会いにきて遊びに連れ出してくれるおとうさん、4人の家族の成長物語。

12年分の物語を、12年間かけてとっています。
ドキュメンタリーではなくフィクションなのですが、子役俳優も大人も、みな、12年かけているので12年分年をとっていくのです。お母さん役のパトリシア・アークエットはこの役でアカデミー賞助演女優賞受賞。お父さん役のイーサン・ホークも大変な好演でした。いやはや。とにかく、映画の可能性というのをいろいろな意味で試した野心作。そしてわかりやすくおもしろい>ここ大事。

見ながら、英語がわかりやすいのでてこれは教材にしたいなあと思いました。なんというか、速度は速いのですが、語彙が難しくないし、子供と家庭と友達の日常を描いているので、内容的にもわかりやすい。リスニングとスピーキングの教材に最適と思います。DVDが出たら入手しましょう!

また、子育て世代には、涙なしには見られない映画だと思いました。キーワードは「責任」responsibility. シングルマザーであるパトリシア・アークエットが、子供たいに"You are my responsibility."というのです。そのときに意味しているのは、自分が責任を負うものに対する覚悟と、責任がとれないものへの諦念に、心打たれます。

また、週末に子供に会いにきて自由に遊んでやる父親についても、最初は「気楽でいいわねー」と思えるのですが、だんだん、彼なりのスタイルというのに惹かれてしまうのです。物語としても、役者としてもたいへんおいしいどころ取りなんですけどねー(監督、本当にイーサン好きだよねぇ)

私は息子2人の親なので、主人公のメイソンが母にそそぐ目というのにもなかなか打たれました。お母さんはあんなにいろいろがんばってきたけれど、いまだに僕と同じくらい支離滅裂、"She is as fucking confused as I am."というところ。

ともあれ、とてもいい映画だったので、劇場であれ、映画館であれ、機会があったらぜひ多くのかたに見てほしいです。