速記130年シンポジウム 講談落語速記本の交流と大阪

今年は日本で最初の速記法が発表されてから130年を迎える年です。田鎖綱紀(たくさりこうき)が考案した「日本傍聴記録法」は、イギリスピットマン式速記法に影響を受けているので、ピットマン研究者としても気になるところです。

さて、10月13日、堂島リバーフォーラム大阪芸術大学ほたるまちキャンパス3Fで開かれた、「速記130年記念シンポジウム 講談落語速記本の交流と大阪」を聴講してきました。講談を生で聞いたのは実は初めてでした。ついに土俵にあがって稽古をつけてもらえるようになったシーンが、クライマックス。いろいろな人の声音をまねての会話シーンが生き生きとして臨場感あふれていました。

第1部 講談 旭堂南陵「越の海勇蔵」
第2部 記念講演「大阪の講談速記本の研究」旭堂南陵 (大阪芸術大学
講演「速記本の出現前夜」関山真理子(明治大学
講演「速記本と大阪の速記人」三牧勉(日本速記協会理事)

続々明治期大阪の演芸速記本基礎研究

続々明治期大阪の演芸速記本基礎研究

 
大阪の速記者として有名な山田都一郎は小説『女紋』のなかでは小田都三郎として描かれているそうです。
女紋 (1960年)

女紋 (1960年)

最後の会場から質疑応答時間に、「講談速記本」の定義、速記とは?ということについて質問させていただきました。講談師の講談を速記者が書き取って書き起こしたものから、速記者があらすじだけきいて自分で書いたオリジナル的なものまで、速記者がかかわった講談本をすべてジャンルとして講談速記本と呼ぶそうです。ほとんど知らない分野のことで、とても勉強になりました。講演記録は、日本速記協会のホームページにアップされています。(→こちら)

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なお、田鎖綱紀が初の速記講習会を開いた10月28日は「速記の日」で、今年は130年記念行事が田鎖の故郷、盛岡で開かれます。(→お知らせはこちら)