AsiaTEFL2012メモ

AsiaTEFL2012日記。研究発表は一度に16のパラレルセッションがあるので、聴くことができた発表は限られていたのですが、興味深かった発表についてのメモ。

梨花女子大学のChui Yeon Hee先生の発表。"University English education for North Korean defectors in South Korea." (北朝鮮から韓国への亡命者の大学英語教育の現状)

発表の要旨は以下の通り(自分のメモから)
北朝鮮から韓国に亡命して韓国の大学に通っている11人の学生(男4人、女7人)に、インタビューをして、韓国の大学において受けている英語教育についての実態を聞き出したもの。アイデンティティを隠しながらの就学になり、事情を知らない教員にとっては「ちょっと変わった学生」となることが多い。韓国の大学は、北朝鮮から亡命した学生を受け入れると政府から補助金が交付されるので、受け入れに熱心だが、大学自体としてそうした亡命学生を公的にサポートするシステムがない。英語教育についていうなら、亡命中、1か月〜長いひとは10年、公教育を受けずにいるひともあり、英語の基礎を勉強していない。

また、韓国ではまず教会の付属学校に入ることが多いが、そこでは教員がボランティアベースで、大学教育につながる十分な英語教育ができない、など。亡命者の教育については、Ministry of Education, Science and Technology(教育科学技術部)では扱わない。一方、Ministry of Reunification(統一部)は、亡命者の社会福祉を担当するが、大学教育については関知しない、など。