『新世紀の英語―ブッカー賞総覧2001-2010』
「イギリスの最も権威ある文学賞、ブッカー賞の過去10年間の作品を完全網羅!」(帯から)という本です。
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今、序章「過去10年間のブッカー賞」(加藤洋介)を読んでいるところですが、英語の国際化、英語文学の国際化に関する↓のくだりなどを読むと、文学賞ブッカー賞と、自分自身の関心(世界の諸英語)も決して無関係でないことを知ります。
2001年から2010年までのブッカー賞の受賞者10人のうち、イギリスで生まれた作家は帆リングハースト、ヒラリー・マンテル、ユダヤ系のハワード・ジェイコブソンの3人にとどまる。逆に言うと、かつてイギリスの自治領や属領だった国家の出身者がその大半を占めているわけだが、そのことはブッカー賞の国際化に大きな影響を及ぼしている。というのも、EnglishからEnglishesへ、今英語が歴史的に大きく変化していることは周知の通りだが、この変化が英語文学(literature in English)にも波及しているからである。とくに英語を第2言語とする国家からあらわれる異色の作家たちが、彼らの国家で独自に発達した英語、変種としての英語を積極的に使用し、その土着の言語や文化や歴史を彼らの作品にとり込もうとしている(x)
- 作者: 高本孝子,加藤洋介,池園宏
- 出版社/メーカー: 開文社出版
- 発売日: 2011/11
- メディア: 単行本
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