宝塚歌劇星組公演『ロミオとジュリエット』(ネタばれ)

4月に見た月組公演『スカーレット・ピンパーネル』を友達に誘ってもらって見に以来(→日記はこちらこちら)、ちょっと宝塚づいていて、6月には宙組公演『トラファルガー ―ネルソン、その愛と奇跡』『ファンキー・サンシャイン』を見にいき、今日は、星組公演『ロミオとジュリエットを見に行きました。(以下、潤色・演出についてのネタばれありです。)

シェイクスピアの原作に基づいた、ジェラール・プレスギュルヴィック作のフランス発のミュージカルで、小池修一郎潤色・演出のミュージカルでした。歌と群舞が見事でした。チケット購入に結構出遅れてしまったので、三階席の最後列だったのですが、オペラグラスも使いながら、堪能しました。ジュリエット役の夢咲ねねさんの歌が素敵で、高音が本当にのびやか!ロミオ役の柚希礼音さんは、星組の『スカーレット・ピンパーネル』でショーヴラン役の方。こちらの公演は見ていないのですが、月組公演時に星組版CDを買ったので、柚希さんの「君はどこに」は繰り返し聴いています。ロミオは、ジュリエットと踊る場面の笑顔が本当に涼やか!

そして、ティボルト役の鳳稀かなめさん。いやー、登場した瞬間から、目を奪われました。かっこいいー!

ロミオとジュリエットは、舞台や映画、ドラマ、原作など、いろいろ見たり読んだりしましたが、ティボルトがこんなにかっこいいのは初めてでした。プレスギュルヴィックのミュージカルの特徴として、ティボルトがジュリエットに恋しているという設定があり、宝塚版でもそれを踏襲しています。ロミオに次ぐナンバー2の存在感、かっこよさ。梅田芸術劇場公演だったので、フィナーレの羽かざりがなかったのが残念でしたw

ストーリーは、(どこまでがプレスギュルヴィック版で、どこからが宝塚版オリジナルなのかわかりませんが)、ミュージカルとしてなじむようにかなりシンプルになっていて、たとえばロミオが最初はロザリンドへの恋煩いに悩んでいる、というのは無し。また、ラストは、ロミオとジュリエットの死のあとのモンタギュー家とキャピュレット家の和解で終わるのではなく、そのあと、天国で二人踊るロミオとジュリエットの幸せそうな笑顔の場面があります。物語的には二人は死んでしまうので純粋な「ハッピーエンド」ではないわけですが、舞台をこのように終えることは視覚的には、ある意味で「ハッピーエンド」仕立てといえるでしょう。

歴史的に、シェイクスピア悲劇のハッピーエンド改作上演はごく当たり前のように行われていたので、驚くようなことでもないわけですが。実際に自分の目でみたのは初めてだったので、とてもおもしろかったです。