『あすなろ白書』と子ども虐待

(仕事めも、というブログタイトルからどんどん離れて行きますがー)『あすなろ白書』が文庫3巻で出ていたのを帰宅途中の書店で見つけたので、ちょっと迷ったけど、まあ、給料日でもあるしと即買い、一気読み。 柴門ふみは一時はほとんど単行本をそろえていたはずだけれど、今も持っているのは『女ともだち』だけでした。

 読みながら、細部をほとんど忘れていたのにびっくりしました。ドラマの記憶が上書きされていたのだな、きっと。

 後半で、大学院で心理学を研究しているものの、自己実現の邪魔となる子どもを愛せないので虐待する女性、という主題がかなり書きこまれていることに驚きました。そんな話だったのか。すっかり忘れていました。たぶん、自分とは全然関係ない極端なエピソードと思って読んだのでしょう。今読むと、彼女が子どもを叱りつけるときの冷たい言葉遣いが、自分も結構つかっているような気がしてどきっとします。

あすなろ白書 上 (文春文庫 さ 25-7)

あすなろ白書 上 (文春文庫 さ 25-7)

(…それにしても、今読むと、大学生篇よりも、社会人篇の、恋愛模様がおもしろい。なるみがつきあう、仕事ができるけど女にだらしない40歳の社長。柴門ふみ、こういう人が本当にすきなんだなー、こういう男にふりまわされる恋愛をたらたらたらたら書くのが楽しくてしかたないんだなー。実際、おもしろいし。)