『識字と読書』合評会

『識字と読書―リテラシーの比較社会史』(松塚俊三・八鍬友広編、2010年、昭和堂)の合評会が、比較教育社会史研究会2010年春季大会のプログラムのひとつとして、28日午前に同志社大学で開かれました(→本の目次はこちらです)。

識字と読書―リテラシーの比較社会史 (叢書・比較教育社会史)

識字と読書―リテラシーの比較社会史 (叢書・比較教育社会史)

比較教育社会史研究会を主宰されている橋本伸也先生(関西学院大学)が司会をされ、杉仁先生(日本近世史)、巽由樹子先生(ロシア史、東京大学大学院)が、書評をしてくださいました。執筆者はほぼ全員にあたる11人が出席し、評者や司会者、また、参加者からの質問・コメントに答えたりしました。


比較教育社会史研究会で、識字と読書の分科会が始まったのは、2005年3月に開かれた春季大会のことでした(→この大会についての、森直人先生の的確な報告記事はこちら)。5年前です。私は2004年から、単著執筆にとりかかったところでした。半年に一回開かれる研究会で、『識字と読書』執筆者の方の研究発表を順に聞いていくのは、とても勉強になりました。私自身は、2007年春に、青山学院大学で発表させてもらいました。


『英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史1834−1975』(開拓社、2009年)という自分の本と、その第一部を要約した上で新たな論点を加えた「読み書き教育効率化と標準発音普及を目指して―19世紀イギリスの綴り字改革論」を書かせてもらった共著書『識字と読書―リテラシーの比較社会史』が、一年を開けずして完成して、本当にうれしいです。編者の先生方、編集者の松尾有希子様、共著者の方々にお礼申し上げます。


昨日の日記では、この10年間、研究会・学会をさぼっていたようなことを書きましたがー。この「識字と読書」プロジェクトには、皆勤しました。このプロジェクトに参加たことは、たぶん、自分で意識しているよりもはるかに、私の研究活動を支えてくれていたのだと思います。いろいろとしんどい時期でもあったので。ありがとうございました。

(…なんだか感傷的な自分語り日記になってしまいました。内容についてはまた日をあらためて書きますー、すみません)

英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史一八三四‐一九七五

英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史一八三四‐一九七五