『走る意味―命を救うランニング』
『走る意味―命を救うランニング』(金哲彦、講談社現代新書、2010年)を読みました。おもしろかったです。
- 作者: 金哲彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/02/18
- メディア: 新書
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昨年からジョギングをはじめて(→ジョギング日記はこちら、こちら)、金哲彦さんの本は何冊か読んでいました。マンガエッセイ『マラソン1年生』(たかぎなおこ著)にもにこにこしたキャラクターとして出てこられる、ああいうイメージ、体幹ランニングの、市民ランナー指導者の金さんとしてしか知りませんでした。恥ずかしながら、選手時代のことを知りませんでした。
高史明の甥だそう。国籍を変えて韓国籍で五輪マラソンに出ることをめぐっての師とのやりとり、葛藤、訣別、決断のくだりが、とても深く、読みごたえがありました。個人史として、また、その背後にある構造的な歴史として。通称から本名使用への転機なども。
そして、早稲田大学1年生のときに、いきなり箱根駅伝5区に抜擢されるくだりは、まさに『風が強く吹いている』(三浦しをん)のようでした(ん、逆か?)。
年齢が近いので、描かれている時代の見え方に共通するところがありました。また、私が最初に読んだ金さんのご本は、大きな手術後の走れない時期に、いろいろな思いを込めて書かれた本だということもわかり、感慨深かったです。