『幸せのセラピー』とメンターの発音
昨夜は『アバター』の先行レイトショーを見に行きたい!と思いつつ、諸事情により家でDVD。2007年の映画が、やや遅れて2009年6月に日本劇場公開された『幸せのセラピー』(Meet Bill, 2007, バーニー・ゴールドマン監督)を見ました。
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銀行頭取の娘婿となり生活は安泰というものの、妻(エリザベス・バンクス)に浮気をされ、職場でも義父、義弟にいばられて肩身の狭い思いをしている中年男(アーロン・エッカート)。ひょんなことから出身高校の在学生(ローガン・ラーマン)の学外指導者=メンターになり、彼の友人(ジェシカ・アルバ)らとの交流のなかで、少しずつ変わっていくーというような話。
アーロン・エッカートの主演コメディなので期待してみたのですが(『サンキュー・スモーキング』の饒舌セールスマンや『ダークナイト』の二つの顔を持つ男がおもしろかった)、夫婦の危機話とハイスクール青春ものがちょっとうまくかみ合ってないような感もあったりー。ローガン・ラーマンといえば、このあいだ見た西部劇『3時10分、決断のとき』で、空に銃を放つシーンに涙しましたが、この映画では、ザック・エフロンみたいなハイスクールの人気者で、この人の出番を増やしたのかな、という感じ。
ともあれ。
英語ネタとして気になったのが、「指導者」「教育者」を意味するmentorの語尾<or>の発音でした。第1強勢は<men>にあるものの、第2強勢が<tor>にもあって、音は「オー」で、「メントー」。storeと韻を踏む音でした。
actorやdoctorみたいな、強勢のないあいまい母音の「アー」で、「メンター」だと思っていたので、へええと思い、辞書を確認しました。
『リーダーズ英和辞典(第2版)』を見ると、なるほど確かにこの、<or>に第2強勢がある「オー」の発音が最初にありました。それから、アメリカ英語ではもう一つ、actorと韻を踏む、強勢のないあいまい母音「アー」の発音もあるという表記。(日本語では、後者の音がカタカナ表記された「メンター」という語が定着していますねー)
ギリシャ神話の優れた指導者メントールが語源なので、その固有名詞の発音(メントー)が主として使われている一方、綴りや他の単語からの類推での発音(メンター)も広まっている、というかんじでしょうか。
ちなみに、イギリス英語の発音辞典、ジョン・ウェルズ教授のLongman Pronunciation Dictionaryでは、「メントー」の発音のみ。ただし、「トー」に第2強勢はない形。(今手元にあるのは第2版(2000)なので、第3版(2008)も入手しなくては…)
LONGMAN PRONUNCIATION DICTIONARY (3E) : CASED+ROM
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