言語学の新刊2冊

言語学の新刊2冊。

はじめて学ぶ言語学―ことばの世界をさぐる17章

はじめて学ぶ言語学―ことばの世界をさぐる17章

はじめて学ぶ言語学―ことばの世界をさぐる17章』(大津由紀雄編著、ミネルヴァ書房)。

〜目次から〜ことばの世界をさぐる/ 発音の仕組みをさぐる/ 語の仕組みをさぐる/文を作る仕組みをさぐる/ ことばの意味と法則をさぐる/ 発話解釈能力をさぐる/ コミュニケーションをさぐる/ 言語獲得のメカニズムをさぐる/ バイリンガリズムをさぐる/ ことばの理解のメカニズムをさぐる/ 発話のメカニズムをさぐる/ 比喩の世界をさぐる/ 言語を生み出す脳をさぐる/ 起源と進化をさぐる/方言の多様性をさぐる/ ことばの歴史をさぐる/ ことばと教育の関連をさぐる。

それぞれの専門分野について、第一人者がわかりやすく解説しています。各章には、練習問題、読書案内もついていて、入門演習などで使うのに最適という感じの本です。昨年度まで、府立大学文学部でごいっしょだった青木博史先生の第15章「ことばの歴史をさぐる」を、最初に拝読しました。第五節の準体助詞「ノ」で、言語研究ってやっぱりおもしろい!と初心に帰って感動しました。

「内」と「外」の言語学

「内」と「外」の言語学

「内」と「外」の言語学』(坪本篤朗、早瀬尚子、和田尚明編著、開拓社)。第I部 構文・叙述の類型・概念拡張/ 第II部 再帰代名詞・人称・自分/ 第III部 話法・時制現象 / 第IV部 存在・身体・他者理解となっていて、計11本の論文が収録されています。『明晰な引用、しなやかな引用』を上梓された山口治彦先生の御論考「視点の混在と小説の語り―自由間接話法の問題をめぐって―」(第III部)を、まず拝読しました。

興味深い視点・構成の研究書なので、いつか演習などで輪読してみたいです。