『農場の少年』の綴り学習
インガルス一家の大草原の小さな家シリーズ第5巻、『農場の少年』(Farmer Boy、ローラ・インガルス・ワイルダー作、恩地三保子訳)を、小学校低学年の息子たちに、ときどき読んでやっています。昔愛読していた本で、子どもたちにも自分で読んでほしいところですが、まだ、難しいようなので。
おもしろそうなところを選んで読んでいるのですが、やはり人気があるのは、食べものの出てくるところと、学校の様子が描かれたところです。17、18歳の悪童たちが先生を暴力で学校から追い出そうとし、それを先生が黒蛇の鞭でやっつけるところなど、今読むとなかなか驚きです。(子どもたちはバトルだと面白がっていますが…)
学校で綴りを学ぶ場面もでてきます。主人公アルマンゾのお兄ちゃんローヤルは、苦心した様子…
ローヤルは初級だったころ、よく、手をにぎれないほどはれあがらせて、夜、家へ帰ってきた。ローヤルが綴りをおぼえないので、先生が物差しで手のひらをたたいたからなのだった。そんなとき父さんはいったのだ。
「ローヤル、また、先生がおまえをぶたなければならないようなことがあったら、そのときは父さんがおまえをたたいてやるからな、うんとこりるように」
けれど、コアーズ先生は、物差しで小さな男の子の手をたたくことは一度もしなかった。アルマンゾが単語の綴りがいえないと、先生はいった。
「休み時間、教室に残っておぼえなさい」(『農場の少年』pp.18−19)
『農場の少年』の舞台は1860年代のニューヨーク州。『英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史1834-1975』(開拓社、2009年)で調べた時代なので、興味深いです。
インガルス一家シリーズの『大草原の小さな町』で描かれていた「スペリング・ビー」のシーンはもう少しあとで、1870年代半ばになります。(→この日記)
農場の少年―インガルス一家の物語〈5〉 (福音館文庫 物語)
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