インド英語@『スラムドッグ・ミリオネア』

スラムドッグ・ミリオネア』 Slumdog Millionaire  ダニー・ボイル監督 2008年

ゼミ(国際文化演習)で、インド英語の特徴を、『スラムドッグ・ミリオネア』のなかから具体例を見つけて紹介する発表がありました。スラム育ちのインド人青年が、クイズ番組に勝ち抜くことができたのはなぜか、その半生をたどるストーリー。主人公青年時代を演じるのはイギリス生まれの俳優ですが、少年時代を演じるのはインド生まれの子役。

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

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発表の前半は、ゼミ教科書として使ったWorld Englishes: Implications for International Communication and English Language Teaching, Andy Kirkpatrick (Cambridge University Press, 2007)(→ゼミ教科書についてはこちら)のほかに、『アジア・オセアニアの英語』(河原俊明・川畑松晴編著、2006年)の「インドの英語」(榎木薗鉄也著)の章などを参照してインド英語の特徴、その歴史・社会的背景の発表。

後半が、『スラムドッグ・ミリオネア』からの具体例の紹介。参考文献『スクリーンプレイ』(シナリオと対訳、単語説明)を参照したうえで、DVDから、発音やアクセントの特徴が出ている場面(thの無声音がtの帯気音になる、後ろの音節に強勢がおかれるなど)、ヒンディー語の単語が英語の台詞のなかに混ざっている場面を取り上げて、特に詳しく説明。力作でした。

私はこの映画は公開時に見たのですが、今回の発表でいろいろ新しいことを教えてもらったり、気づいたりしました。たとえば、タージマハルで、主人公が最初に偶然観光案内をすることになる観光客が、ドイツ人だということ。ドイツ人と言われてよく聞いてみると、なるほど、その英語の文末のイントネーション(cost more?)あたりがそんなかんじ。

アジア・オセアニアの英語

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