訛りを騙る男@『ゴスフォード・パーク』

映画と英語めも
ゴスフォード・パーク』Gosford Park ロバート・アルトマン監督 2001年


『近世ヨーロッパの言語と社会』の第一章「話を聞けば、どんな人物かが判明する」を読みながら(>読んだ日の日記はこちら)、映画『ゴスフォード・パーク』のことを思い出していました。


映画の舞台は、1932年、イギリス郊外の貴族の屋敷「ゴスフォード・パーク」。週末のパーティで事件が起きる、というミステリー仕立てです。物語そのものもさることながら、イギリス階級社会の縮図的な屋敷内の様子、特に、さまざまな職務についている召使たちの生活の描き方がおもしろかったです。あと、個人的にはクライヴ・オーウェンの妙にかさ高い従者ぶりも、見どころでした。


さて、この映画のなかに、「スコットランド訛りの英語を話す男」が登場します。でも、これは自分の正体を隠すためにわざと使っている訛りでした。このことを、スコットランド出身のメイド(演じるのはケリー・マクドナルド>この人は本当にスコットランド出身)が、あの訛りはおかしい、あの男は胡散臭いと見破るのです。

正直なところ、私には、この男の偽スコットランド訛りと、メイドさんスコットランド訛りの違いは、聞き分けられませんー。他の劇中人物にもわからないという設定なのでしょうがないともいえるのですが、ちょっと残念。

(この映画でジェレミー・ノーザムが演じているピアノを弾いている作曲家アイヴァー・ノヴェローについての日記は、こちら