『脳内ニューヨーク』とトイレ話

myama-kpu2009-12-06

映画と英語めも

脳内ニューヨーク』Synecdoche, New York チャーリー・カウフマン監督 2008年

うーむ、予想に反してわたしにはちょっと難しい映画でした。ニューヨークの劇作家(フィリップ・シーモア・ホフマン)の、うまくいかない私生活と、作り上げる芝居が、自在に交錯して語られます。

英語ネタ的に、細部がいろいろおもしろかったです。生理現象(トイレの大のほう)が結構出てくるのですが、子どもはpooという語を使い(子ども用語ですね)、頭でっかちな主人公は堅苦しくstoolという語を使います(日本語なら「便」というかんじ)。そして、stoolという語を聞き咎めた主人公の妻が、Stool? Office stools?(事務椅子のこと?)と聞き返すのです。stoolといえば、まず、椅子。

邦題がうまい。原題に出てくるSynecdoche(シネクドキ)はギリシャ語起源の修辞学の用語で「提喩」「代喩」。部分で全体を表す修辞法で、たとえばblade(刃)でsword(刀)を表すなど。この語は、アメリカのジャーナリストにとっても、普段使わない難しい語だとパンフレットに書いてありました。なるほど。そういえば、遠い昔、大学院入試の準備をしているときにこの語に初めて出会いました。その後、あまりご縁がありませんー。