『フリーダム・ライターズ』のスラング@ゼミ発表
映画と英語めも
『フリーダム・ライターズ』Freedom Writers リチャード・ラグラヴェネーズ監督、2007年
1994年、ロス暴動直後のロサンゼルスの公立高校が舞台。さまざまな民族の生徒が対立し、学習意欲も低い荒れたクラスに、新任の英語教師エリン(ヒラリー・スワンク)が向き合い、思考錯誤を重ねる話。実話に基づいた同名の原作の映画化。熱意の空回りが痛々しい教師役のヒラリー・スワンクがはまり役!簡単には心を許さない生徒たちの描き方も共感を覚えます。
先日、ゼミ(国際文化演習)で、この映画の俗語(スラング)の使われ方を分析した発表がありました。スラングの機能一般について考察したうえで、ケーススタディとしてこの映画をとりあげた力作でした。そこで紹介された感動的かつ英語的にも興味深い場面が、こちら。
マーカス:No, that don't fly Ma. それは無理です、マー。
エリン: First of all I'm not anybody's mother. そもそも、私はだれのおかあさんでもないわ。
アンドレ: No, that's not what it means. おかあさんって意味じゃないんです。
エヴァ: It's a sign of respect... for you. 尊敬の気持ちを表す言葉なんです、先生への。
徐々に打ち解けてきたエリンと生徒たちの会話で、アフリカ系の男子生徒が、Maという語でエリンに呼びかけるのに対して、エリンはそれが「おかあさん」という意味だと思って腹を立てる。それに対して、同じくアフリカ系の他の生徒たちが誤解を解こうとする場面です。同じ英語で話しているのに、民族グループ間の俗語の使い方の違いによって、誤解が生じかねない。象徴的な場面です。
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