ジュード・ロウ主演「ハムレット」

myama-kpu2009-08-12

【観劇メモ】
ハムレット
2009年8月12日 2時〜
ウィンダム劇場
マイケル・グランデージ 演出

事前に劇評で、ハムレットはともかくとして脇がーというようなものを読んでいました。そのあたりはよくわからなかったのですが、確かに、 主人公ハムレットをかっこよく見せる演出だという印象を強く受けました。冒頭からして、ハムレットが一人、舞台に現れるのです。

もちろん演出だけでなく、そもそもハムレットの台詞は絶対的に多いし、長台詞、きめの台詞が多いです。有名なものをいくつかあげるとー。

"To be or not to be, that is the question."「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
"Frailty, thy name is woman."「弱き者よ、汝の名は女」
"Get thee to a nunnery."「尼寺へ行け」
"Readiness is all."「覚悟がすべてだ」

劇場プログラムの中のインタビューで、ジュード・ロウは「俳優としてキャリアを重ねてくると、「いつかハムレットをやりたい」というようなことはうかつにいわなくなるものだ。でもそれでも、経験を積むにしたがって、ハムレットという役の、スケールの大きさと深さが理解できるようにもなる。」と語っています。やはり役者として、一度はやりたいハムレット、なのでしょう。

舞台は、大道具小道具も、衣装も非常にシンプルで、ミニマルなかんじで、全体の色合いは白黒、グレイ調でした。ハムレットの衣裳は、襟ぐりのあいたシャツに、薄いカーディガンのような上着を羽織っていて、いずれもグレイ系統。細い体の線がすっと見えて、上肢の動きが、時に、モダンバレエのよう。動きがリアりスティックではなくて、様式化されているところが結構ありました。 身体の線がきれいで、人間離れした美しいかんじが、ハムレットにコミカルな軽さを与えていました。

ハムレット」の舞台は、1992年留学中にケネス・ブラナー主演の舞台を、バービカン劇場で見ました。その後、ロンドンで芝居を見ている本数は一決して多くはないのですが、細々でも見続けているうちに、今度は、ジュード・ロウハムレットが見られました。感慨深いです。