『リトル・チュン』と香港街角の英語

『リトル・チュン』 細路祥/Little Cheung 1999年 フルーツ・チャン監督

1997年、返還前の香港。9歳のリトル・チュン(ユイ・ユエミン)は、食堂を営む両親、祖母、フィリピンから出稼ぎに来ているメイドと暮らしている。同い年の不法移民の女の子ファンと知り合い、二人で協力して食堂の配達を手伝う。

広東語の映画です。この映画のなかにフィリピン人メイドさんが英語を話している場面があることを、香港事情に詳しい友人に教えてもらってDVDで見ました。

メイドさんは、Sunday is my holiday. It's Hong Kong law. と英語で待遇改善を訴えています。

また、チュンの両親の飲食店に破落戸が来て居座っているところで、チュンの母親が機転を利かせて外から電話をかけてきたメイド相手に、警察と話しているふりをする場面の英語(イエース、ポリース、ウェルカム、の三語を繰り返すだけのシンプルなもの)と、それすらわからない破落戸の反応で、笑いをとるところが面白かったです。

言語政策ということでいうと、返還直前に、中国の国旗の説明を小学校の先生がしていたり、学校で普通語の練習していたりする場面も注目。そり舌音(zhidaoma?)の練習をしていて、zhiの四声を復唱。校庭で敬礼の練習をしていたりする場面とか。