『英語の改良を夢みたイギリス人たち』

『英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史1834−1975』(2009年6月、開拓社刊)を上梓しました。

英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史一八三四‐一九七五

英語の改良を夢みたイギリス人たち―綴り字改革運動史一八三四‐一九七五

2002年から2008年まで授業休暇期間を利用してイギリスでの資料調査を行い、それをもとに書いたものです。

【内容】
英語の綴り字は、ネイティブ話者にとっても覚えにくい厄介なものである。これに不満を抱き、もっと規則的なものに改良しようとした綴り字改革論者(スペリング・リフォーマー)は、いつの時代にも現れた。19-20世紀の綴り字改革論者たちは、「初等教育効率化のため」、「科学的音声言語研究のため」、「国際語としての英語の地位を確立するため」とそれぞれの目的をかかげながら、試行錯誤を重ねた。本書では、教育行政文書、OED編纂者たちの手紙、帝国教育会議議事録などをもとに、その姿を描きだす。英語グローバリゼーションが進行する今日敢えて、英語改良計画の言語文化史を明らかにし、そこに映し出された自意識とコンプレックスの意味を問う。

【目次】
  序章 国民統合の言語から国際語へ--英語の自意識とコンプレックスを映す綴り字改革運動

◆第一部 基礎教育の効率化をめざした綴り字改革論者たち--読み書き能力獲得と国民統合の一九世紀
  第一章 代表的綴り字改革論者アイザック・ピットマンの生涯--速記考案者の読み書き改革
  第二章 ロンドン学務委員会の請願運動--綴り字改革運動と『読み方教授法報告書』
  第三章 綴り字改革公開会議に集まった人びと--基礎教育、言語研究、社会改良のために

◆第二部 言語の科学的研究を志した綴り字改革論者たち--一九世紀の言語学者・音声学者を中心に
  第四章 世界の民族と言語を探求したロバート・レイサム--比較言語学隆盛の一九世紀
  第五章 言語学会公認の「英語綴り字の部分的修正案」--OED編集の時代
  第六章 一九世紀イギリス音声学の発展と綴り字改革論

◆第三部 「世界語」に完璧を求めた綴り字改革論者たち--二十世紀の展開
  第七章 簡略綴り字協会と国際語としての英語--大英帝国のなかの綴り字改革論
  第八章 綴り字改革関連法案の審議
  第九章 バーナード・ショーの遺言と英国アルファベット公募
  第十章 初期指導用アルファベット導入の顛末--ジェームズ・ピットマンの実験

  結びにかえて


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