『レ・ミゼラブル』再び

映画『レ・ミゼラブル』は、昨年末に公開され、5月末までのロングラン映画でしたが、さすがにDVDも発売され、二番館にかかるようになりました。自宅近所でも上演があったので、見に行きました。試写会、公開初日に引き続き三度目。いやー。前売り券はもっと買っていたのですが、結局、これで大画面三回目です。ラッセル・クロウファンとしてはあと2,3回は見ておくべきでしたのに・・・(ちなみに、拙編著『世界の英語を映画で学ぶ』のあとがきはに「英語ミュージカル映画レ・ミゼラブル』公開の日に」と記してあります^^→詳しくはこちら

ともあれ。映画『レ・ミゼラブル』。見終わって(いや、見ながらも)、舞台見に行きたいなー、と思っていました。このキャストの舞台でなくても、とにかく舞台見たいです。それにしても、ああ、生の舞台でこのミュージカルを見たい!!と思わせるような映画というのは、映画として成功なんでしょうか?それとも???他の媒体への思いを誘うということは、その媒体としてはある意味不完全ということなのでしょうか?ちょっと考えてしまいました。いや、半年以上ぶりに大画面で見て、とてもうれしかったのですけれど。

ところで、この映画、ラスト近くでコゼットが、弱っているジャン・バルジャンに歌う歌のなかに、you will live, Papa, you are going to live.という歌詞があります。わたくし、この歌をCDで聞いていて、どうしたわけか、you will leave, Papa, you are going to leave.だと思っていたのです(恥)。というのも、liveの母音が長く発音されていて「リーヴ」と聞こえるので。お父さん、あなたは行ってしまうのね、みたいな歌詞。それで、なんてへんな歌詞だろう!と思ったのでした。もちろん英語音声学では必ず教えられることですが、liveとleaveは長短以外にだけど、音質の違いというのもあります。liveの母音のほうが、leaveの母音よりも「エ」に近い、口の開いた音。だから、理論上は、区別可能なはずなのです。だけどねー。。。今回、あらためて聞いてみましたが、やっぱり、この歌で、liveとleaveを、母音の長さではなく、母音の音質で区別するのは無理だわ、と思いました。少なくとも私には無理。むしろleaveでなくてliveだというのは、文脈から判断できるのであり(字幕も「生きるのよ」みたいなのが出ている)、その点において、liveが思い浮かばず、のは英語教師としてちょっと(いやかなり)恥ずかしかったよね、と思ったのでした。

ミュージカルは大きく分けると、歌われない普通の台詞の部分と歌の部分があるものと、ほとんどすべての台詞にメロディがついているオペラ的ものの二種類があります。ミュージカル『レ・ミゼラブル』は後者で、映画も後者。すべての台詞が歌なので、慣れるまではちょっと戸惑うかもしれません。そして、歌の英語特有の難しさというのも、上記の例のようにあるわけです。

とはいうものの、やはり、感動的なストーリー、パワフルなキャスト、豪華なセット。DVDも発売されましたので、まだ見ていないという方は、夏休みなど、時間のあるときにぜひご覧くださいませ^^