『007 スカイフォール』

『007 スカイフォール』(Skyfall) サム・メンデス監督 2012
ジュディ・デンチがすばらしい。(以下ネタバレあります)








デンチは1995年の「ゴールデン・アイ」からM役を演じている。ピアス・ブロスナンがボンドとして登場したときから。ダニエル・クレイグのボンド役は、最初「カシノ・ロワイヤル」で登場した時は、やんちゃ息子とおかあさんという感じだったのが、3作目の本作のラストは、これはなんというのかなー、ハードボイルドだけれど、本質的にはとてもロマンチックだ。二人は道行きのように、アストン・マーティンで北へ向かう。Are you kidnapping me?とMは問う。Mをおとりにして敵をおびき出すための旅なのだ。荒涼としたスコットランドのハイランド地方へ。逃避行のように。

ルフレッド・フィニーを交えて3人、敵を迎え撃つために、淡々と古屋敷にダイナマイトを仕掛ける。台詞がほとんどない、決戦に備えるこの場面は全体に青味がかっていて、静謐で美しい。

さてクレイグ・ボンド。男の魅力は、決して若くはない女を、愛しい女として見る、その眼差しにこそある、と思ったね。ボンドの目に映るMは、小柄な老女ではなく、強く、冷徹で、大局のためには彼を撃てとも命令するbitch。それと同時に、彼女が恐怖や怯え、弱さをぎりぎりのところでねじ伏せていることも、彼にはわかる。そして彼女は、自分が命を賭けて守るべき女でもある。こういうまなざしで、ジュディデンチ@Mを見ることができるダニエル・クレイグ@ボンドに惚れなおした。

そして、ジュディ・デンチ、1934年生まれ。すごい女優です。デンチの舞台のDVDボックスずいぶん前に買ってあるのよね。いつか何か書きたい。

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英語めも

Nice to have met you.って言ってた。。(卒論で感情の形容詞+to不定詞、調べてた人がいる用例がでてくるとついメモしてしまう)

イントネーション。ボンドに殺しの依頼するとこ。Can you kill him? Yes. Will you? Someone always dies. で、最初の疑問文は上昇調で、Will you?の方は下降調。。

もひとつイントネーション。上昇調の用例。ボンドが上司マロリーがMI6で初めて顔合わせるところ。マロリーがBond. と下降調で言って、ボンドがMalloryと上昇調でいう。こういうところの上昇調っていうのが、きっと、ノンネイティブが使うのは難しい。疑問じゃないのよね。で、ボンドのほうが部下だからちょっと腰低い感じが出てるかんじ。