テムズ川


ウェストストミンスターからタワーブリッジまで片道約30分のテムズ川クルーズに乗りました。今回は家族旅行で来ているのでしっかり観光ですw 途中で雨がぱらついて心配しましたが、すぐに上がって、概ねいいお天気。

クルーズの間は左右にみえる建物などの説明が続きます。ガイドをしてくれるのは、「プロではないけれどテムズ川を長年運航して来たので、せっかくだから自分の知っていることをみなさんにお伝えしたい」という前置きの、船会社の男性。「できるだけゆっくりはっきり話しますが、私が話すのはロンドンの地元の英語です、わかりにくいところはご容赦を」ということでした。とはいうものの、もちろんそれはある種の構えというかスタイルで、実際には、とてもわかりやすい英語でした。

(ダブリンのトリニティーカレッジやダブリン城のガイドつきツアーに参加したときも思ったのですが、こういう現地のひとの短いツアーガイドというのは、英語発音特徴を観察するいい機会ですね。というのも、あくまでも、こちらにわかるようにはっきりと話してくれるので、地域訛としてはとてもマイルド。内容的にも予想ができるので、わかりやすい。けれど、それでも、一定のローカルな発音というのは聴くことができるので。)

ロンドン英語(コックニー)の特徴として気が付いたもの。エイがアイ。all day, wave.
thがf。thirteen, threeなど。それからwidthがdが落ちてthがfになって、wifのように聞こえました。

また、これまであまり意識していなかったのですが、crewやroof、Waterlooなどのウー/u:/の母音が、オウに聞こえて、クロウ、ロウフ、ウォータロウのようになっていたのがこのガイドさんで印象的でした。

気になってJohn Wells先生のAccents of English 2: The British Islesを調べてみたところ、コックニーのウー(gooseの母音)は、音素的には中舌円唇狭母音の長母音/ʉ:/としてあらわされるが、音声学的な実現としてはかなり幅があり、RP(イギリス標準英語、容認発音)の/əu/と同じように聞こえることがある、とのこと(p.307) 。コックニーのsoupがRPのsoapのように聞こえることは、Gimson(1980) An Introductin to English Phoneticsで指摘があるようです。

Accents of English 2 : The British Isles (Accents of English)

Accents of English 2 : The British Isles (Accents of English)