英米語の違い@『ロイヤル・セブンティーン』

欧米言語文化基礎演習IIIの受講生による発表第3回(→第1,2回発表についてはこちら。とりあげた映画は『ロイヤル・セブンティー』。アメリカで母と暮らすの17歳の女の子(アマンダ・バインズ)が、生後すぐ別れたイギリス貴族の父を訪ねて、イギリスの暮らしに適応しようとがんばるコメディです。

イギリス英語、アメリカ英語の発音の違い、両者の語彙の違い、『ロイヤル・セブンティーン』のなかの例、この映画に描かれた社交界の様子、という観点からの発表がありました。発表者には、前の週に一度レジュメを見せてもらい、コメント後、修正してもらっています。

語彙は、映画のなかでは、主人公がロンドンで、エレベーターのことをlift、トイレをlooと言われて戸惑う場面が出てきます(詳しくは『イギリス/アメリカ 英語対照辞典』参照)。また、コックニー・ライムと呼ばれる押韻表現の例として、dog and bone ( = phone)の例なども。

発音についての指摘のなかで、girlの発音に注目したところがありました。一般的な特徴として、アメリカ英語では母音のあとのrを(舌を巻くかんじで)発音するけれど、イギリス英語ではこのrは発音しない、というものがあります。これに加えて、このgirlという語を発したのは王室のプリンセスという設定。上流階級の古めかしい発音として特徴的な「ゲール」になっています。(そういえば、『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』でも、同じようなタイプの女性キャラクターが「ゲール」と言っていました。ひとつの目印となる語なのかもー)

アメリカ英語、イギリス英語の違いが楽しめるロマンチック・コメディとしては、ヒュー・グラントの『ノッティングヒルの恋人』『フォー・ウェディング』などがありますが、今回この映画を選んだのは、主人公の女の子が受講生の年に近くて親しみやすそうなのと、それから、私が父親役のコリン・ファースが好きなので〜

ロイヤル・セブンティーン [DVD]

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イギリス・アメリカ 英語対照辞典

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