イギリスの学術誌投稿と学術書出版についてのセミナー

京都大学文学部で英語学の家入葉子先生が主宰された、DR JENNIFER SMITH & DR JONATHAN HOPEによる「学術誌への投稿と学術書の出版について」のセミナーに参加しました。(→詳しい内容はこちら)。講師の両先生には、先日大阪であった国際言語教育シンポジウム(→こちら)ではじめてお目にかかりました。


社会言語学者のスミス先生が、学術誌への論文投稿について話され、シェイクスピア学者のホープ先生が、学術書の出版について話されました。私がお尋ねしたのは、「学術誌投稿と、学術書出版を両方同時に追究するのは、難しい。どうすればいいのか」ということでした。自分自身は、後者を優先させて、前者にしっかりとりくまずにきたので。

両先生のお答えは、「それぞれの専門によって、本が大事か、論文が大事かの、比重が異なる」、「キャリアのどの段階にあるかによって、何を重視するべきか考える。」というものでした。以前は、博士論文を書く間は、それだけに集中することが奨励されたけれど、今は、博士論文を完成させるまでに何本か学術誌論文を書いておく必要がある、とか。(このあたりの人文系研究事情は、アメリカ発で、時差があってイギリスにも伝わり、また、日本も近年急速にこのようになりつつある、というところでしょう。)


本についてのホープ先生のお話で興味深かったのは、イギリスでもやっぱりコンタクト(伝手)が大事、ということでした。コンタクトどころか、自分はコントラクト(契約)なしには、本を書き始めないとも。学会に行って、出版社の編集者と知り合いなさい、可能ならあらかじめメールで連絡しておいて会場で時間をとってもらいなさい、などなど。コンタクトの大事さを強調しておられました。(→このあたり、たとえば、William GermanoのGetting it PublishedFrom Dissertation to Book などを読んで知った事情とは、ちょっと違う印象です。英米の違いなんでしょうか?)

ともあれ、会場でも思いがけない方々にお会いできた、楽しい刺激的なセミナーでした。


ホープ先生の御著書(最新刊のShakespear and Languageはまだ入っていないようです)

Shakespeare's Grammar (Arden Shakespeare)

Shakespeare's Grammar (Arden Shakespeare)

Authorship of Shakespeare's Plays: A Socio-linguistic Study

Authorship of Shakespeare's Plays: A Socio-linguistic Study