『ソーシャル・ネットワーク』

ソーシャル・ネットワーク』(The Social Network、2010年、 デイビッド・フィンチャー監督)

ハーバード大学在学中にフェイスブックを考案したマーク・ザッカーバーグが主人公(ジェシー・アイゼンバーグ)。考案の過程と、巻き込まれていく訴訟を事実に基いて描いています。

ゴールデン・グローブ賞の作品賞、監督賞などを受賞して賞レース改進中の本作。大阪大学のコミュニケーション・デザインセンターで、大学生を対象にした試写会とディスカッションが12月に行われ、その様子が、先日の朝日新聞に載っていました。大学生とインターネット、ソーシャルネットワークのかかわりということで、学生さんにとって興味深い映画だと思います。

ただ、なんというか、大学舞台のサクセスストーリーというような映画ではなく、けっこう鬱屈した、そして戯画化された描きかただと感じました。

戯画化。結局のところ、どういうステータスにいるひと(社会的、経済的、民族的)が、どういう女の子を手に入れられるか、どうやったらいい女と寝られるか、っていうのが、男たちの野心と序列の目盛になっています。これが露骨で、ちょっと白けてしまいました。たとえば、エリートクラブのパーティにはゴージャスなハリウッド女優みたいな白人女性たち。主人公たちユダヤ系男子学生が、アジア人女子学生とパーティ。 主人公と対立するのが、アングロサクソン系の資産家兄弟で、ハーバードでボート選手でオリンピックにもでるような、背の高いブロンドの好青年たち(アーミー・ハマー)。

鬱屈。いかにもnerd(おたく)な主人公の、どうにも共感できない感情移入できないところはジェシー・アイゼンバーグの演技のなせるわざなんでしょう。もう冒頭から台詞がいやーなかんじでただただ早口で無意味に長い。やなやつだなーって気になります。

ふられた彼女のプライバシーをブログに書きこむのはNG!一気飲みのシーンともども、よい子の皆さんはまねしないでね、と思ったことでした。。

・・・ちなみに、私はフェイスブックのアカウントを持っていないのですが、これを見て、始めようかなという気にはなりました。それこそ狙い通りなんでしょうが。

冒頭場面で、「あなたは憑かれたみたいになっている(obsessed)」と、彼女に劣等感を指摘された主人公の台詞。There is a difference between being obssessed and being motivated.