NTライブ『人と超人』

ウラジオストクの学会レポも途中ですが…)

National Theatreライブ『人と超人』見ました。バーナード・ショーの戯曲を、ロンドンのナショナル・シアターで上演したものを、録画し、各国の映画館で短期間上映するものです。

上映期間は短く、上映時間は長く(3時間20分+休憩15分)ということで、あきらめかけていたのですが、所属している日本バーナード・ショー協会のメーリング・リストで、鑑賞された方の感想が次々に流れて来るので最終日に滑り込みました。

主人公のジョン・タナーは富裕な社会主義者。女性不信が強い。幼馴染のアンの結婚相手を探す話がもちあがり、周りはジョンを有力候補とみなしているが本人は、女性不信の強さのあまり、自分がアンに惹かれていることを自覚せず、人生論、社会論、悲観的結婚観をただただ話し続けるー。

思索や社会観を混ぜつつ基本的にロマコメ台詞劇。歯切れのいい早口の台詞回しが心地よく、引き込まれ堪能しました。パンフレットに、学生時代の恩師喜志哲雄先生の解説があり、読んでそうそう私もそう思ったと思いましたが、先生に喜劇の見方を教わったのですから、まあ当然ですー。。

ピグマリオン』の終盤でヒギンズとイライザが悲鳴あげるみたいに言い合う場面がありますが、『人と超人』あれが延々と続く感じで、ロマコメの喧嘩シーンが好きな私もさすがにお腹いっぱい。ショーをつかまえていうことではないが、気の利いた台詞が多い。世の中はmoral gymnasium だとか。

主演はレイフファインズ。もうちょっと若いときのほうが、ロマンチックかなーと思わないでもないのですが(失礼!)、本当に、台詞回しが上手。ロンドンの舞台で見たのは2003年のイプセンのBrandでした。1階最後列に座っていたら、暗転時にすぐ後ろにレイフ・ファインズが待機する演出で、後ろの席だけどもととった!と思ったものでした(笑)。

相手役はインディラ・ヴァーマ。表情が愛くるしいし、それから、ツンデレなお嬢様が本当に上手。パンフには「プライドと偏見」出演とありますが、グリンダチャーダ監督のインド版、「ブライドと偏見」Bride and Prejudice (2004)の間違いでしょう。「プライドと偏見」は2005年の映画。