『ロビン・フッド』試写会

先日、映画『ロビン・フッド』の試写会に行きました。中世イングランドアウトローロビンフッド誕生の物語。リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演。

前半は、遠征好きのリチャード1世獅子心王 Richard the Lionheart)のもとフランス遠征しているロビンたちの城攻めから始まります。愚かなジョン王、敵役フランス王、暗躍する奸臣(マーク・ストロング)のあたりの描き方が、シェイクスピア劇のよう。

中盤は、マリアン(ケイト・ブランシェット)との関係は、惹かれつつも反発して丁々発止とやりあうロマコメ風。豪州コンビの息があっていて、まあ、二人ともそれはそれは楽しそうに、並んで馬を走らせていました。

ただまあ、なんというか、ああ、もう若くはないんだよね、ラッセルもブランシェットも、と思ったことでした。そこがいいし、そういう配役として説得力のある話になっているからいいんですが。いや、ほんと。ラッセルはなんかやっぱり中年の余裕みたいな表情になってるのです。あとがない、ぎりぎりでカード切り続けてるみたいな(LACみたいな)役・演技じゃなくて。ブランシェットも、途中エリザベス女王かと思うような役だし、カラスの足跡もかくしてない。

実は、8月にロンドンで、上映最終週に間に合ったので見てきました。レスタースクエアのエンパイア館の一室で、座席数30くらいの小さいところで、子ども連れの観光客なんかが入っていました。そのときに、ロビンがマリアンに二度言う台詞、Ask nicely.というのが、非常に印象的で、これはどういう字幕になるのだろうと、あれこれ考えていました。つんけんしているマリアンがロビンの助けを借りなくてはならない状況になったときに、ロビンがからかうように、「ちゃんと頼めよ」(拙訳)という台詞です。

今回の見せていただいた松浦美奈さんの字幕は、おお、そうくるかというような逆転の発想で、ぐらっときました。
公開は12月10日。ご観覧の際には、ぜひ、Ask me nicely.にも注目してください!

音楽は、ストライテンフェルドで、ジマーの『グラディエーター』の系譜。

映画とは直接関係ありませんが、ロビンフッド伝説研究でおもしろかった本↓

大英帝国の伝説―アーサー王とロビン・フッド (叢書・ウニベルシタス)

大英帝国の伝説―アーサー王とロビン・フッド (叢書・ウニベルシタス)